20220521土曜祈祷会・家庭礼拝
聖書:創世記18:16–26
題目:とりなしの祈り
賛美:449
説教:高曜翰 伝道師
場所:大阪中央教会・家庭
■ 「〇〇〇を平和のために殺してください」と祈ってはならない
1.ソドムとゴモラが滅びた理由
① 不信仰
「ソドムとゴモラの町々を灰に帰せしめて破滅に処し、不信仰に走ろうとする人々の見せしめとした」(2ペテロ2:6)
② 性的堕落
「淫行にふけり、不自然な肉欲に走ったので、永遠の日の刑罰を受け、人々の見せしめにされている」(ユダ1:7)
③ 弱い者を無視した
「ソドムの罪はこれである。彼女とその娘たちは高ぶり、食物に飽き、安泰に暮らしていたが、乏しい者と貧しい者を助けなかった」(エゼキエル16:49)
主は言われた。
「ソドムとゴモラの叫びは非常に大きく、また彼らの罪は極めて重い。実際に行っているかどうか見てこよう」
➡ 神がソドムとゴモラを滅ぼすと決められたのは、弱者の叫びを聞いたから。
神は弱い者の叫びを決して無視されない。
例:「イスラエル人の叫びは私に届いた。…エジプトが彼らを虐げているのを見た」(出3:9)
➡ 神は弱者を見捨てる者を嫌われる。
2.アブラハムに打ち明けた理由
① アブラハムが神の友だから(イザヤ41:8)
「私がしようとしていることを、アブラハムに隠しておくべきだろうか」(18:17)
甥ロトがソドムに住んでいたことも理由にある。
② アブラハムの契約
「アブラハムは必ず大いなる国民となり、地のすべての国々は彼によって祝福される」(18:18)
➡ 全ての地が祝福されるはずのアブラハムに、逆の事が起こるため、主はあらかじめ知らせた。
③ 正義と公正のため
「アブラハムが主の道を守り、正義と公正を行うために選んだ」(18:19)
➡ 今行われる裁きも、神の「正義と公正」によるものであることを示した。
3.アブラハムの祈り(とりなし)
① ロトのための祈り
「正しい者を悪い者とともに滅ぼされるのですか」(18:23)
「その中に50人の正しい者がいたら、その町をお赦しにならないのですか」(18:24)
➡ ロトだけを救うようには言わず、少数の正しい者のために悪人全体が救われるよう願った。
これは弱者への憐れみであり、弱い者を無視しない姿勢である。
※ロトもソドムに住み続けた点で弱さがあったが、アブラハムは「義人」と呼んだ(2ペテロ2:7)。
「私は灰に過ぎません」(18:27)
➡ 自分も弱さを持つ者であることを認めた。
② 人間の本性との対比
人は自分の失敗を環境のせいにし、相手の失敗は人格のせいにする。
悪い者は滅んで当然と思ってしまう。
➡ しかしアブラハムは「悪い者だけが滅びるように」とは祈らなかった。
神はアブラハムの願いを聞き入れ、彼の祈りに応答された。
4.イエスの祈り
「父よ、彼らを赦してください。彼らは自分が何をしているのか分からないのです」(ルカ23:34)
イエスの姿勢
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憎しみの言葉を吐かなかった
-
自分を殺す者の赦しを願った
➡ 弱い者とは、肉体・経済・立場だけではなく、霊的に弱い者も含む。
アブラハムの祈りも、単なるロトへの憐れみだけでなく、弱者への姿勢そのものを神が見ておられたのではないか。
5.マーガレット・コヴェルの祈りと赦し
① 日本人捕虜の証言
戦後、アメリカで日本人捕虜が「20歳前後の娘がとても親切にしてくれた」と語った。
理由を尋ねると、
「両親が日本軍に殺されたからです」
と言った。
② 両親の最後
コヴェル夫妻は宣教師で、日本で教えながら戦争に反対していた。
後にフィリピンでスパイと誤解され、日本軍に殺害された。
マーガレットは当初日本人を憎んだが、
両親が死の前に聖書を読み祈る時間を求めたことを聞き、
「両親がどのような祈りを捧げたのか」
を考え、憎しみを捨て、日本人を赦し、行動によって愛した。
6.結論
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神は弱い者を無視することを嫌われる。
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弱者には「霊的に弱い者」も含まれ、神は彼らも救いたいと願われる。
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私たちもアブラハムやイエスに倣い、霊的に弱い者(敵)も含め、とりなしの祈りを捧げよう。


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