20251221聖誕記念午前礼拝
聖書:ミカ5:1ー2
題目:ベツレヘムから来るメシア
賛美:23、116、112
説教:高曜翰 牧師
場所:大阪中央教会
“今あなたは壁でとりまかれている。敵はわれわれを攻め囲み、 つえをもってイスラエルのつかさのほおを撃つ。 しかしベツレヘム・エフラタよ、あなたはユダの氏族のうちで小さい者だが、イスラエルを治める者があなたのうちから/わたしのために出る。その出るのは昔から、いにしえの日からである。”
ミカ書 5:1-2 口語訳
1。堀田綾子(1922−1999)
①すべての「王」が崩れ落ちた時
❶17歳から小学校教師になるが、敗戦で軍国教育の間違いを知る。→価値観の崩壊
❷これ以上子供を教えることができなくなり、24歳で辞職。→職の喪失
❸とある男性と婚約をしていたが、不治の病である結核にかかる。→健康の喪失
❹自ら婚約を解消し、オホーツク海に入って自殺を図る。→婚約者の喪失
❺助かったが、脊椎カリエスにより、動けなくなる。→体の自由の喪失
→次々と人生の柱「自分の王」が崩れ落ちていった。
②救いの光
❶26歳の時、幼馴染の前川正に再会し、献身を受ける。
❷前川から短歌と聖書を知り、30歳で洗礼を受ける。
❸32歳の時、前川は病気で亡くなるが、33歳の時、三浦光世と出会う。
❹4年後、奇跡的に病気が回復に向かい、37歳で結婚。
❺42歳の時、「氷点」が大ヒットし、有名な作家となる。
→信仰を通して希望を持つようになった。
③「新しい王」が立てられた時
❶ 「これ(パーキンソン病)が今年の神さまからのクリスマスプレゼントかしら」
❷ 自分の「王」が全て崩れた時、神を王として任せることで、人生に希望が生まれる。
❸病気の回復、三浦との結婚、作家としての召命
❹『氷点』『塩狩峠』など多数の作品誕生→多くの人々を慰める。
❺全てを失った時、神に任せることで、環境が変わらなくても、希望が生まれる。
→自分の力で建てたものとは違う、力強い希望が生まれる。
2。本文解説
①暗闇のど真ん中にいる状態(5:1)
今あなたは壁でとりまかれている。敵はわれわれを攻め囲み、つえをもってイスラエルのつかさのほおを撃つ。
❶当時、ユダ王国はアッシリア帝国の脅威にさらされ、国も王も崩壊寸前。
❷首都エルサレムは敵に囲まれて逃げ場がない状態。
❸ さらに王は辱めを受け、崩れ落ちている状態。完全な絶望の光景。
②差し込む希望の預言(5:2)
しかしベツレヘム・エフラタよ、あなたはユダの氏族のうちで小さい者だが、イスラエルを治める者があなたのうちから/わたしのために出る。その出るのは昔から、いにしえの日からである。
❶ベツレヘム・エフラタ=田舎の小さな町=弱さの象徴。
❷小さな町から新しい王がやってきて、大きな救をもたらす。
❸この救い主誕生の約束は遥か昔から約束されている。
③イエスキリストの誕生の預言(マタイ2:5−6)
❶ユダ王国の人々だけへの約束ではない。
❷この世の全ての人々、私たちへの約束である。
❸敵から守るだけではなく、罪と死、悪魔から守る救世主となる。
3。キーワード
① 「ベツレヘム」=小さい
❶「ユダの氏族の中で最も小さい者よ」
⑴ベツレヘムは名もない田舎の小さな村で。
⑵軍事力も政治力もない、何も誇れない場所。
❷しかし神はその「小ささ」を救いの出発点に選ばれた
⑴ダビデが小さな羊飼いから王になったように
⑵イエスが最も低い場所の馬小屋で生まれたように
❸神はいつも人の目には“小さく弱いもの”を選ばれる
⑴大都市エルサレムでも、権力者の家でもない。
⑵最も小さな村から、世界を救う王を選ばれた。
→神の救いは、人が誇れる力や場所からではなく、小ささの中から始まる。
②「わたしのために」=神の主権
❶「あなたから、わたしのためにひとりの者が出る」
⑴「わたし」=主ご自身
⑵救い主は人間の努力や政治の成功の結果ではなく、神が主権をもって送られる方
❷当時のユダは罪の中
⑴国は弱り、王も無力で、誰も救えなかった。
⑵救いは人間側から生まれない。救いは神側から来る。
❸神は人間の状況が最悪の時
⑴人間の努力が完全に尽きた時に、
⑵「わたしのために」救い主を送られる。
→救いは神の主権の御業。私たちの失敗や弱さでは決まらない。
③「昔から」=預言(永遠の計画)
❶「その出るのは昔から、いにしえの日からである。」
⑴これは単にダビデの家系が昔から続いていたという意味ではない。
⑵神の救いのドラマの中心には最初からイエスがいたという意味
❷ 永遠の昔から神が準備していた救いの計画。
⑴イエスの誕生は“偶然”でもない
⑵歴史の流れのなりゆきでもない
❸神の約束は必ず成るということ
⑴神様はやると言ったら必ずお方。
⑵計画を立てて、必ずその通りに実行するお方。
→神の救いは遅れることなく、必ず成就する。
4。 適用
①弱さを認め、自分の人生を神に明け渡す時、救いを経験する。
❶私たちの“ベツレヘム”を神に差し出そう
⑴自分の小ささ、足りなさ、弱さ──そこが神の働かれる場所。
⑵力のなさ、信仰の弱さ、家庭の問題、働きの小ささ、誰にも注目されない奉仕
⑶小さいからこそ、神が用いる。
❷ “私のため”と言われる主権を信じて委ねよう
⑴救いは自分の努力ではなく、神の御手によって成る。
⑵私たちがするべきは背伸びして強くなることではない。
⑶弱さのまま神を信頼すること。
❸「昔からの計画」に身を置いて、安心して歩もう
⑴神はあなたの人生にも「昔から」計画を持っておられる。
⑵あなたの状況が暗くても、心が低くても、人生が詰まって見えても、
⑶神の計画はあなたの失敗によって止まることはない。必ず救いが実現する。
5。 結論
①ベツレヘムは小さかった。しかしそこから世界の救い主が誕生した。
②だから、私達は強く見せようとせず、弱さを見せて、神様に任せてください。
③そうすれば救いがやってきて、神様を通して私達は本当に強くなります。
→クリスマスの日に、小さな場所に来られた大きな救いを一緒に喜びましょう。


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