20200703早天祈祷会 in Jesus Love Church
聖書:ローマ人への手紙 16:1–16
題目:「伝道のための人間関係」
賛美:160
説教:高曜翰 伝道師
【序論】
ローマ16章は、一見ただの「挨拶リスト」ですが、実はパウロが 宣教のために築いてきた豊かな人間関係 を示す重要な箇所です。
そこには、ユダヤ人・異邦人、男性・女性、金持ち・奴隷、夫婦、年配者、信仰歴の長い者まで、あらゆる背景を持つ人たちが名を連ねている。
パウロは自分の利益のためではなく、神の福音のために人とつながり、共に働いたのです。
【本文の解説】
● 1節 フィベ
センクレアの教会で仕える女性。
ローマ書を実際に運んだ人物。異邦人の女性がこの大切な役割を担ったことに、初代教会の多様性が見える。
● 3節 プリスカとアクラ
パウロの命を救うために文字通り「命がけ」で助けたユダヤ人夫婦。
おそらくエペソの暴動の際の出来事と思われる。
彼らの家は教会として用いられた。
● 7節 アンドロニコとユニア
おそらく夫婦。
パウロと共に投獄された経験があり、パウロよりも先にキリストを信じた人物。
● 8節 アンプリエイタス
「奴隷に多い名前」。
社会的身分に関わらず、パウロは「主にあって愛する兄弟」と呼んでいる点が重要。
● 10–12節 アリストブロ、ナルキッソ、トリュパエナ、トリュフォサ、ペルシス
・アリストブロはヘロデ大王の孫と同名。その「家の者たち」がキリスト者となっていた。
・ナルキッソはローマで有名な大金持ちで、信徒への経済的支援者であった可能性がある。
・トリュパエナ、トリュフォサはギリシャ語で“繊細・温厚”。異邦人の女性。
・ペルシスは「ペルシャの婦人」という意味。異国出身でも初代教会で重要な奉仕を担った。
● 13節 ルーファスとその母
ルーファスはキリストの十字架を担いだ「クレネ人シモン」の息子と言われる。
パウロはその母を「私にとっても母」と呼ぶほど深い交わりがあった。
● 14–15節 その他の十人
それぞれが家の教会のリーダーとして働いていた。
ローマは巨大都市で、複数の家の教会がネットワークのように連携していた。
【適用:二つの人物から学ぶ】
■① ココ・シャネル
世界的ブランドを築いた女性社長。
イギリスのチャーチル、ロシア、フランス、ポーランド、ドイツ、スペインの芸術家、ユダヤ人など、広い人脈を持った。
しかしそれは
自分のための人脈。
・8人の愛人
・ドイツ将校との関係
・スパイ活動の疑惑
戦後は「裏切り者」とされ、フランスに墓を建てることすら許されず、スイスに葬られた。
人間関係は築いたが、自分中心の関係は長く残らないという教訓を与えている。
■② 斎藤宗次郎
洗礼を受けてから迫害が始まった。
・石を投げられ、
・親に勘当され、
・教師をクビになり、
・家を壊され、
・そして9歳の娘を蹴られ、亡くすという悲劇。
それでも彼は故郷を離れず、その地の人々に仕えることを選んだ。
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毎日、雨の日も風の日も雪の日も休まず
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牛乳配達と新聞配達をしながら伝道
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10メートルごとに祈り
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子どもにはお菓子を配り
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病気の人を訪ね、祈り続けた
やがて東京へ移るとき、
町長、有力者、先生、生徒、神主、僧侶、一般人、そして乞食まで200人以上が駅に集まった。
彼の愛と奉仕は、人々の心を変えたのである。
【結論】
1. 自分中心の人間関係ではなく、神様の福音のための関係を築くこと。
ローマ16章は、パウロが宣教のために築いた「福音のネットワーク」である。
2. パウロのように、また斎藤宗次郎のように、愛をもって仕える人間関係は人を変え、町を変え、魂を救う。
3. 私たちも、自分の利益のためではなく、神様の働きのために人とつながる者でありたい。


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